- Ed 4つの評価項目の分類
英語版のサイトからリンクを貼られているValidation Reportによれば、4つの評価項目は内容(Content)関連の「文章構文」と「語彙」、質(Quality, あるいはManner)関連の「発音」と「流暢さ」に2分類されています。この記事では、内容関連の評価項目の1つである「語彙」について、細かく検討したいと思います。
目次
「語彙(Vocablary)」について
定義の確認
公式サイト上の文言
まずは評価項目の定義を確認しましょう。VERSANTは自動評価ですので、この定義に基づいてシステムが作られているはずです。人による評価の場合は、バイアスにより、定義以外の観点からも評価してしまう可能性がありますが、システムではそのようなことはバグでも無い限りあり得ないので、定義をしっかりと理解することが、高得点を狙う上で非常に重要です。
語彙力は、構文中の日常的かつ一般的な単語を理解し、自在に表現する能力です。日常的な単語の形式と意味の理解、また関連する発言におけるそれらの用法の熟達度によりスコアが判定されます。
Vocabulary reflects the ability to understand common everyday words spoken in sentence context and to produce such words as needed. Performance depends on familiarity with the form and meaning of everyday words and their use in connected speech.
重要ポイント
ここで重要となるのは以下のポイントです。
・「理解」と「表現」の2側面から評価されること
「語彙」と対応づけられるSection
「語彙力」はPart 3「質問」とPart 5「要約(Story Retelling)」の2つとしか対応づけられていないので、比較的評価のプロセスが分かりやすい項目と言えます。そして、上掲のポイントの「理解」と「表現」について言えば、Part 3では「理解」を測定し、Part 5では主に「表現」を測定していると考えて、概ね間違いないでしょう。
「語彙」得点向上のための対応方針
VERSANTを受験される方のほとんどは、TOEIC L&Rの受験経験があり、それなりにボキャブラリーを増やす努力を継続されているはずです。私が両テストを受験した「体感」に基づけば、TOEICで安定的に700点以上のスコアを叩き出している方は、VERSANTのためにボキャブラリー対策を行う必要はない、と断言できます。稀に聞いたことのないような単語に遭遇するかもしれませんが、多くの場合基本的な単語しか登場しないので、レアケースのために努力をする必要はありません。
一方で、どうも「語彙」の点数が今一だと感じている方は、以下の2パターンの対応の方向性が考えられます。
Section3での失敗感が大きい場合
Section3は語彙の「理解」を測定するパートなので、ここで失敗感がある方は、リスニングに課題がある方と言えます。出てくる単語はおそらくスクリプトを見れれば「あー」となるレベルの単語のはずなので、第2言語習得理論のモデルに基づけば「音声知覚」に課題がある方という方になります。
では、どのようにしたら「音声知覚」を改善し、習ったはずの単語を確実に聞き取れるようになるのか?このためには、単語を正しく発音できるようになることが、実は遠いようで近道なのです。
実際、VERSANTの音声の聞き取りに難がある方は、発音の得点も良くはないはずです。正しく発音ができるようになれば、「語彙」と「発音」の2つの項目の得点がが同時にアップすることが期待されます。
Section3は上手く乗り切れた感があるのに、「語彙」の点数が悪い場合
この場合、もう1つの「語彙」を判定するPart 5に課題があると考えざるを得ません。1つの可能性としては、日本語版のPart 5のタイトルの「要約」に引きづられて、枝葉と判断した部分をばっさりと切り捨ててしまっている事態が考えられます。しかし、英語版のタイトルはあくまでも「Story Retelling」で、「要約」というタイトルづけは、私は非常にミスリーディングだと考えております。実際、Part 5の英語版の解説でも、細部に至るまで詳細に語ることを奨励しています。
In this task, candidates listen to a brief story and are then asked to describe what happened in their own words. Candidates have thirty seconds to respond to each story. Candidates are encouraged to tell as much of the story as they can, including the situation, characters, actions and ending. The stories consist of three to six sentences and contain from 30 to 90 words. The situation involves a character (or characters), setting, and goal. The body of the story describes an action by the agent of the story followed by a possible reaction or implicit sequence of events. The ending typically introduces a new situation, actor, patient, thought, or emotion.
The Story Retelling items assess a candidate’s ability to listen and understand a passage, reformulate the passage using his or her own vocabulary and grammar, and then retell it in detail. This section elicits longer, more open-ended speech samples than earlier sections in the test, and allows for the assessment of a wider range of spoken abilities. Performance on Story Retelling provides a measure of fluency, pronunciation, vocabulary, and sentence mastery.
Part Eについては、自動評価される箇所の中で、唯一絶対的な正解がない問題であるという特殊性もあるます。Part5対策の記事も作成しておりますので、併せてこちらもご確認下さい。
Versantスピーキングテスト対策全般については、下記のまとめページをご覧下さい。