目次
定義の確認
公式サイト上の文言
「発音」の項目も、まず定義を確認することからはじめましょう。
発音は、文脈においてネイティブ同様に子音や母音を発音し、強勢を置くことのできる能力です。日常単語の音韻構造の知識によりスコアが判定されます。
Pronunciation reflects the ability to produce consonants, vowels, and stress in a native-like manner in sentence context. Performance depends on knowledge of the phonological structure of everyday words as they occur in phrasal context.
ポイント
この項目では以下の点がポイントとなります。
(→発音記号通りに発音できるか)
・”in sentence context”, “in phrasal context”とあることから、単語のつながりによる音の変化(リンキング・リエゾン等と呼ばれる)も評価対象に含まれると考えられる。
・ネイティブと同等の水準が求められる
まずは「発音」に本気で向き合う覚悟があるのかを明確にする
第1回VERSANT英語スピーキング・チャレンジの衝撃的な結果
日経新聞社で「第1回 VERSANT 英語スピーキング・チャレンジ」なるイベントが催された模様で、その結果はかなり衝撃的な内容でした。特に私が驚いたのは以下の記述です。
⇒TOEIC900点台のVERSANTスコア平均は51点
⇒TOEIC900点台の4割がVERSANTスコア47点以下
TOEIC900点代と言えば同僚から「すごいですねー」と言われるレベルの方が、このVERSANTとなると20点から80点のレンジの、丁度真ん中辺りに落ち着いてしまうというのは、なかなか屈辱的な体験だったのではないでしょうか?4つの項目で圧倒的にスコアが低かったのは「発音」なので、ここを改善することなしには、飛躍的な点数の増加は望めません。
一般的なビジネスマンならばネイティブ並の英語の発音は不要
以前私は「一般的なビジネスマンの英語の発音学習の必要」というタイトルで、別記事を作成しています。そこでの結論を下記に再掲します。
● 日本国内で英語を使用する一般的なビジネスマンにとっては、ネイティブ並みの発音は不要。しかし、英語発音の基礎を習得することは有意義。
日本国内で英語を使用する方のカウンターパートというのは、日本人訛りの英語に慣れている方です。VERSANTのスコアレポートのサンプルにも、「理解ある聞き手であれば基本的な情報を伝えることができる。」との記述があり、日本国内で働く以上、相手は「理解ある聞き手」なのですから、現状の発音でも十分伝わります。
一般的なビジネスマンで終わりたくないのであれば、「発音」も磨くべき
しかし、例えばあなたが現在外資系企業に勤務していて、本社の役員クラスのポストを狙いたいという野心を抱いているのであれば、話は違ってきます。あなたは、英語ネイティブの部下のモチベーションを喚起し、時には悩みに共感し、そして社内のライバルと政治的な抗争をしなければなりませんが、そんな時にジャパニーズ丸出しの英語ではお話にならないのです。
ノンネイティブがアメリカ企業のCEOとなるためには、どの程度の英語力を備えているべきかの参考として、AlphabetのSundar Pichaiのプレゼンの動画へのリンクを以下に掲載します。
インド人特有の発音も時折見られますが、これが巨大プラットフォーマーのCEOとして容認されるレベルの英語の発音です。
具体的な発音改善のためのロードマップ
発音をネイティブ並に高めていくには、想像以上の時間を要します。だから、大げさですが、その覚悟を問うた訳です。その道のりは以下のような感じで進みます。
②リンキング等の音のつながりの規則をマスターし、文章レベルで正しい発音ができるようになる。
③正しい発音を定着させる。
①、②の部分は週1程度のコースで2〜3ヶ月程度で終わらせることが可能です。ちなみに、発音記号のマスターからリンキングという順番で進まねばなりません。学習の順番が非常に大切です。そうしないと、日本人ぽい発音が露呈してしまいます。下記の記事をご参照下さい。
英語子音の発音【上級】「t」音の変化① 消える「t」音(リダクション)
コースの中ではきれいに発音できるようになった受講生も、次回のコース時には、きれいさっぱり忘れてジャパニーズ・イングリッシュに戻ってしまうことが多いのです。ですから、定着させるには少なくとも1年程度の期間を要することを覚悟せねばなりません。
「重要なのは発音なんかではなくて、何を話すかだ」という意見には、私も全く同感です。しかし、そのようなことを常に心の底に抱き続けている方は、学習が無駄に終わる可能性が高くなります。
時折、カタカナ英語を離れ、ネイティブのように発音することに、はじらいのような感情を示される方もいらっしゃいますが、そのような方も、そのような意識を捨てることから出発する必要があります。
具体的な教科書のようなものについては、別記事でご紹介致したいと思います。
Versantスピーキングテスト対策全般については、下記のまとめページをご覧下さい。