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VERSANTスピーキングテスト対策 リスニング全般

投稿日:2019年7月5日 更新日:

なぜTOEICのリスニングの点は高いのに、VERSANTでは聴き取れないのか

TOEICのスコアは高いのに、VERSANTの点が低い方は、発話に課題があるのではなく、実はリスニングに課題がある可能性があります。VERSANTの方が遥かに容易な内容を扱っているはずなのに、なぜこのようなことになってしまうのでしょうか?

リスニングで「意味理解」はできても「音声知覚」はできていない

第2言語修得論のモデル

第2言語修得論においては、リスニングを2つのプロセスに分けて考えます。耳から入ってきた音そのものを知覚する「音声知覚」のプロセスと、その音を意味として理解する「意味理解」のプロセスの2つです。私はたくさんの日本人ビジネスマンの英語を観察してきましたが、「音声知覚」がいまいちでも「意味理解」はいい線まで持っていけるという人が結構多数います。

日本人の多くは苦手な「音声知覚」を推論で補っている

「音の聞き取りは不十分でも意味は理解できる」というと不思議な感じがするかもしれませんが、その方たちは自分の聞き取れた不十分の音声から、聞こえない部分で言われたことを推論して(あるいは時には無視して)、苦手な方の「音声知覚」のプロセスを補っているのです。英語で仕事をする部門で働く日本人の方は成績優秀な方であることが多く、このような難しい論理的な推論により、コミュニケーションを成立させているのです。

TOEICはボロが出にくく、VERSANTはボロが出やすい

もちろん、これで上手く行っていればいいのですが、時にボロがでます。海外との電話会議で相手の言っていることを誤解したり、あるいは、VERSANTのようなテストの場でボロが出ます。TOEICではリスニングで全ての単語を聞き取れなかったとしても、所詮4択なので、結構ボロが出にくいテストと言えます。一方で、VERSANTの特にPart2の「復唱」は全ての単語をその通り復唱しない限り、どんどん減点されますので、ボロが出やすいテストと言えます。

具体的にどういう部分の聞き取りができないのか

では、TOEIC L&Rのノリで、VERSANTを受けてしまうと、具体的にどのような部分の聞き取りができないのでしょうか?

カタカナ英語との乖離が大きい発音部分

まず1つは変なカタカナ語が出来上がってしまった言葉は、元の英語の発音で来られると、認識できない方が多くいます。「アレルギー」と思っていると、「allergy」は聞き取れません。「チップ」と思っていると、「tip」は聞き取れません。英語教育にはずっと関心を寄せていますが、一向に学校教育がカタカナ英語から脱却する気配は見えません。「掘った芋いじるな(What time is it now)」みたいな本がたまに本屋に並びますが、あれは娯楽本の一種と認識することが大切です。

前置詞や冠詞等、軽く発音される部分

「in」「on」「the」のような前置詞や冠詞はネイティブの人は軽く発音する傾向があるため、聞き取りも難しくなります。VERSANTスピーキングテストのレベルでは、これらの言葉も明瞭に発音されていますので、十分にトレーニングを積めば、聞けない単語はなくなると思います。一方で、TOEICのL&Rをトレーニングの一貫として、Part3や4をディクテーション(書き取り)しようとすると、逆に文法的な知識を動員して推論しないと、書き起こせないものも出てきます。

もともとの発音記号から変化する部分

英語は発音記号さえ完璧にすれば、発音も完璧になると考えている方がいらっしゃいますが、もともとの発音記号から変化してしまう音も存在し、このような場合、日本人の聞き取りを困難にしているようです。
例えば「that」の語末の「t」は明確に発音されないことが多々あります。

英語子音の発音【上級】「t」音の変化① 消える「t」音(リダクション)

また、「water」の真ん中の「t」音は日本語のラ行の音に近くなります。

英語子音の発音【上級】「t」音の変化② フラップTのコツ

VERSANTでのリスニングスキルを高めるための対策

集中的にディクテーションを行い苦手な音の傾向をつかむ

リスニングにおける音声知覚が苦手といっても、全ての部分が苦手である人というのは稀で、皆、聴音においても得意不得意があります。その自分の傾向性をまず把握することが効果的な学習の第一歩となります。
既に音源をお持ちの教材(TOEIC問題集、NHKラジオテキスト等)なんでも構いませんので、音源1時間分くらいを、音を聞いて文字に起こすディクテーションを、まず実施してみましょう。聞き取れなかったところをマークし、自分のリスニングの弱点を分析しましょう。

シャドーイングにより「推論」の暇を与えず音を復唱する

シャドーイングとは音源を流し、音源に少し遅れて同時に、聴いた音を復唱する学習法です。シャドーイングには様々な効用がありますが、リスニングの観点からいえば、聴いた音を、そのすぐ後に復唱しなければならないため、推論を働かせる暇がなくなり、純粋に音声知覚の能力を高めることが可能となります。なるべく初見の音源にたくさん当たることをお勧めしますが、最近では無料で様々なジャンルのポッドキャストが入手可能となっておりますので、是非、自分の好み・趣味に合ったポッドキャストを探してみてください。

Versantスピーキングテスト対策全般については、下記のまとめページをご覧下さい。

Versantスピーキング対策 決定版

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