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スワップの「Unwinding Fee」の意味は?

投稿日:2019年7月14日 更新日:

Unwinding Feeは「手数料」ではない

まず、当サイトのスタンスですが、金融商品の解説等は毛頭志しておらず、注意を要するビジネス単語について、解説をしているサイトです。そこで、この「Unwinding Fee」という単語ですが、「Fee」と言われたら、「これは何かの手数料なんだろうな」と思うのが普通だと思います。私はフリーランスコンサルタントとして、金融業界も含む、様々なプロジェクトを経験してきましたが、「Unwinding Feeというのは、スワップを中途解約するときに支払われる事務手数料のことだよ」と、新人にしたり顔で語る若造を見て、心の中で「ばーか」とつぶやいたものです。冗談はさておき、「Unwinding Fee」を「手数料」と考えてしまうと、お客さんの前で恥をかいたり、とんでもないシステムが出来上がったりと、損害は個人レベルで留まらないことが多いため、この説明記事を書くこととしました。説明には段階を踏む必要がありますので、お付き合い下さい。

スワップとは

金利スワップの概要

スワップには株価がからむもの等もありますが、話の単純化のために、ごく単純な金利スワップを例に説明します。ちなみに、この「ごく単純なスワップ」は英語で「Plain Vanilla Swap」と言われますので、一緒に覚えておきましょう。金利スワップとは、二者間(プロの金融機関同士が多い)で固定金利と変動金利を交換する契約です。例えば「1億円という元本を想定して、これから5年間、A銀行はB銀行に対し0.5%の固定金利を支払います。同時にB銀行はA銀行に対し、変動金利(参照金利LIBOR)を支払います。」といった具合です。元本は交換したところで、同額で行ってこいなので、交換は行われません。そのため「想定元本」と称され、元本の交換を行わない金融商品を、デリバティブ(Derivatives)と呼びます。

金利スワップのキャンセル

金利スワップには1年だとか、5年だとか、10年といった期間が存在します。10年を超える期間の長いスワップ契約がゴロゴロあります。そうなってくると、満期を迎える前に契約をキャンセルするという事態もしばしば発生します。このように、満期前のスワップ契約のキャンセルのことを、「Unwiding」といいます。

金利スワップの「勝ち負け」

金利スワップ契約を締結した時点では、その時点での変動金利の水準と固定金利が釣り合っていると考えられているため、どちらかが勝ち、負ける、ということはありません。ただ、契約の期間が徐々に経過すると、金利水準が上がれば、変動金利の受け手は得をするので、「勝っている」と表現されます。一方で、同じ金利上昇の局面で、反対側の変動金利の払い手は損をするので、「負けている」と表現されます。

結局、スワップの「Unwinding Fee」とは

「Unwinding Fee」とはキャンセル時に清算する、勝ち負けの残金のことである

さて、ここまで来れば、スワップの「Unwinding Fee」が何であるのか、想像がつくのではないでしょうか?キャンセルするためには、お互いの勝ち負けを清算しなければなりません。その勝ち負けの清算金こそが、「Unwinding Fee」なのであり、決して事務手数料などではありません。2者間の間でどちらかが支払い、どちらかが受け取るという性格のもので、どちらが支払い、受け取るのかは、マーケット次第となります。ですから、契約額(想定元本)が大きかったり、期間が長かったりすると、「Unwinding Fee」の金額は何億にも何十億にもなりえます。日本語の教科書では、「Unwinding Fee」を「キャンセル料」と表記していました。

余談:実際にキャンセル時に巨額のお金が動くことは少ない

キャンセルの時点で負け方が勝ち方にお金を全部支払うことにしていると、巨額の負け分を払えなくなって倒産、という可能性があるので、金利スワップ契約の時価評価を毎日行い、勝ち分、負け分を「変動証拠金(Variation Margin)」として、現金で支払ったり受け取ったりを繰り返しています。なので、実際にキャンセルの時点に動くお金は、キャンセルの前日からの現在価値の変化分に限定されるので、それほど巨額のお金が動く訳ではありません。

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