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外資系転職・英語面接対策

ヒューマンアセスメントとは何か?その有効性は?

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当記事の目的

当サイトは主に外資系への転職を志す方の英語面接での成功をサポートすべく、英語力向上と面接対策の両輪から情報提供を行なっております。私が皆様の英語力向上について語るに相応しい能力・経験を持っていることについては、おぼろげながらであっても感じていただけているのではと期待しております。一方で、面接対策に関しては、それを語るに相応しいバックグラウンドを持っているのかどうかという情報を十分には提供しておりません。したがって、私は面接対策という分野においても豊富な経験を持っているということを納得いただくために、当記事を執筆したというのが第一の目的です。

2点目の目的というのは、英語での採用面接において特に難易度が高まるのが、採用担当者がコンピテンシー面接の手法を用いてきた場合です。コンピテンシー面接の結果を通じて、採用担当者は候補者のコンピテンシーの数値評価を行いますが、ヒューマンアセスメントにおいてもやはりコンピテンシーの数値評価は行われます。従って、両者の異動を知っておくということは、外資系の採用面接に臨む方にとって有益だと思われます。また、レアケースですが、一部外資系の中途採用で、MBA取得者の採用において、ヒューマンアセスメントを使用するという話も聞いており、そのような方にとっては、必要不可欠な情報だと思われます。

ヒューマンアセッサーとしての私の経歴

ヒューマンアセッサーとしては、私は7年弱の期間、某研修企業のパートナーコンサルタントとして、活動しておりました。その期間を通じて、私が何らかの形で関与したアセッシー(被評価者)の人数は1,000名弱になると思われます。その期間の最後の頃は、他のアセッサーが行う評価をレビューする役割も担わせていただきました。

ヒューマンアセスメントは管理職者の選抜を目的としたものと、コンピテンシーの観点からの自己認識を深めるための啓発目的のものとに分かれますが、前者7割、後者3割といった感じです。言語は全て日本語で行われ、企業は9割超が日系の一部上場企業でした。業界は自動車、通信、製薬、IT、金融、電機メーカー、鉄道等々多岐に渡ります。

コンピテンシー面接とヒューマンアセスメントの異同

共通点:行動主義の原則に基づき、コンピテンシーを数値評価する

まず、分かりやすい共通点としては、どちらもコンピテンシーを数値評価するという点です。5段階評価のこともあれば、7段階、10段階評価のこともあります。そして、両者とも科学的な態度に立脚し、確たるエビデンスに基づき評価を行いますがす。コンピテンシー評価のエビデンスは被評価者の「行動」に他ならず、行動のみをエビデンスとして採用することを行動主義と呼びます。

相違点:エビデンスである「行動」が異なる。

コンピテンシー面接では、過去の自身の行動について、本人が語ります。その語ったことがエビデンスとして採用されます。

一方で、ヒューマンアセスメントでは、マネジメントのシミュレーションの場が与えられ、その場でとった行動をアセッサーが観察し、記録し、分析を経た後、数値評価が行われます。

多くの方がヒューマンアセスメントをコンピテンシー面接よりも厳しいと感じますが、コンピテンシー面接では自分で語らないと十分はエビデンスエビデンスが出てこないため、英語で行われる可能性がある場合は、相当な準備が必要となります。

典型的なヒューマンアセスメントの1日

受講生からの視点

まず、メインのアセッサーから1時間弱の講義・説明のようなものがあります。同じ部屋にいる被評価者の人数は20名前後といったところでしょうか。その後、4つの小グループに分かれてグループディスカッションを行います。あるお題が与えられて、5名前後の約1時間に渡りグループで討論を行います。

昼食休憩の後、筆記のインバスケット演習なるものに取り組みます。時間は大体3時間から3時間半くらいの長丁場です。インバスケット演習をやっている間、順番に呼び出されて、そこで1対1の面接演習を約20分行います。終了後は戻って、インバスケット演習を続けます。終了後総括的な講義が30分程あって、1日目は終了となります。

1日目だけで完結するものもあれば、演習が増えたり、あるいはフィードバックを丁寧にやることで、2日間、あるいは3日間の場合もあります。2日目もある場合は、例えば、午前中に50ページくらいのケースを読み込み、架空企業のビジョン・戦略・中期経営計画等を策定する演習が行われます。午後に、アセッサーと1対1でフィードバック面談が行われ、強み・弱み・自己啓発のポイント等が話し合われます。

アセッサーからの視点

グループディスカッションでは、アセッサーが議論に介入することは一切ありません。ひたすら記録を書くことに徹します。記録とは、発言内容に留まらず、非言語の情報(表情等その他諸々)にも渡るため、1時間弱のグループディスカッションが終わるとアセッサーも疲労困憊します。昼食を早めに切り上げ、録画したビデオをチェックし、記録の抜け漏れがないかチェックします。

午後からは面接演習です。1対1の演習を5-6人と行うと、それだけで1時間半から2時間使います。その後は、ビデオを見て、グループディスカッションと同様、非言語情報も含めて記録を起こします。その頃にはインバスケット演習が終了し、成果物のコピーをもらい、その評価のために別の場所(多くはホテル)に移動します。

夕食を10分程で切り上げ、インバスケットの成果物をチェックし、グループディスカッションと面接演習の記録と合わせて、コンピテンシーの数値評価を固めます。午後9時頃から他のアセッサーとの評価値のすり合わせの会合が開かれるため、それに備えます。

評価値のすり合わせの会合は午後9時頃から午前0時頃まで、紛糾すると午前2時頃まで続きます。管理職者の選抜に関わることですから、アセッサー側も皆真剣勝負です。また、アセッサーは案件1回毎に契約するため、評価技術が向上しない者は淘汰されるという事情もあるため真剣です。時にこの会合に先方の人事担当者が列席されることもあり、そのような場合は緊張感が増します。

ヒューマンアセスメントは本当に有効なのか?

さて、ここまで見てお分かりのように、ヒューマンアセスメントではアセッサーという人間が、わずか1〜2日間に観察した事実に基づいて、管理職者の選抜の重要資料となるコンピテンシーの数値評価を行う訳です。その有効性に疑問を唱える意見が出ても当然でしょう。

有効性を示唆する事実

高額なコストでもリピートされる。

通常の集合研修は20名の受講者に対して講師は1名ですが、アセスメント研修の場合、5名がつくこととなります。つまり、企業側はかなり高額なコストの負担を強いられることとなります。にも関わらず、大抵のアセスメント案件は翌年もリピートされます。

評価値すり合わせの会合に列席した人事担当者の反応

多くの人事担当者も確かな人を見る目をもっています。アセッサー間で評価値をすり合わせる会合では、各アセッサーが被評価者のざっくりとしたプロフィールを述べた上で、数値評価の根拠を述べていくこととなりますが、この会合に列席された多くの人事担当者の反応は、多くの場合「よくたった1日でそこまで分かりますね!」と言った感じで、「好意的」を通り越して、驚愕・畏怖といった反応を示されます。

私の個人的な観察結果

私はある理由でアセッサーとして起用して下さった会社との関係を断ち、その後は、フリーランスのコンサルタントとしていくつかのITプロジェクトを経験致しました。アセッサー時代は自分が担当したアセッシーの、管理職者として起用された後の行動を自分の目で確認できないため、もやもやしたものがありました。しかし、フリーランスのコンサルタントを行っている時は、プロジェクト配属時の初期に、自分の観察に基づいてキーメンバーに対して簡易的なアセスメントを行い、その後の行動が自身のアセスメント通りとなっているかを数ヶ月間に渡って確認する機会に恵まれました

例えば、開発PMとして某SIerから配属された30代の男性。私は彼を観察し、「フットワークが軽く行動力に強み。主体的に人的ネットワークも広げ、ムードメーカーでもある。思考面ではITの専門分野の知識は確かだが、専門外の問題把握力は乏しく、計画策定が粗雑。また、自己成果のアピールには余念がないが、上位者への報告に際して問題を過小報告する傾向があり、インテグリティに難あり。」といった見立てを立てていました。こういう方は、重大なイシューが発生しないプロジェクトではよいPMとなりますが、深刻なイシューが発生した場合、プロジェクトの収拾がつかなくなります。そして、残念なことに、そのプロジェクトでは重大なイシューが発生し、役員への適切な問題報告を怠っていたため、大変な事態になってしまいました。私自身も作業工数が増え大変な思いをしましたが、一方でヒューマンアセスメントの有効性を観察できたという思わぬ成果を得ることもできました。

有効性に疑問を投げかける事実

ヒューマンアセスメントに従い管理職者に登用したら、使い物にならなかったという見解

既に、私自身現在はヒューマンアセスメントそのもので飯を食っている訳ではないため、擁護する義理は全くないのですが、ヒューマンアセスメントの結果で管理職に登用したら、全然使い物にならなかった、的なネット上の記事をいくつか見かけたことがあります。その詳しい背景の事実関係は分かりませんが、1つ指摘しておきたいのは、ヒューマンアセスメントの結果が管理職登用の条件の100%であるという企業はまず存在しません。ある企業でアセッサーが満場一致で、20名強の集団で最高得点とした方が、管理職に登用されず翌年もアセスメントを再受講していたことに驚いたことがあります。

グループディスカッションでは他メンバーとの巡り合わせが対人面の点数を左右する

グループディスカッションでは、メンバーの巡り合わせという偶然的要因が存在するということは、確かに否めない事実だと思います。非常に積極的なメンバーが1人いると、他のメンバーの発言機会がそれだけ失われてしまうからです。このような場合、1対1の面接演習での観察事実を加味して集団場面でのコンピテンシーの数値評価を行ったりしますが、この問題に抜本的に解決をするためには、2日から3日のプログラムを採用し、メンバーをシャッフルしてグループディスカッションを行う等の工夫が必要となります。

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